産業博物館がめざすもの

昨日、東京ビックサイトで「産業博物館がめざすもの」というタイトルで印刷博物館館長による1時間半の講演がありました。印刷博物館の紹介、印刷技術の歴史、教育、現在の産業博物館の状況についてのお話でした。ミュゼオロジーや編集計画とかぶる内容で面白かったです。頂いたレジュメの目次だけ載せておきます。


1.印刷博物館の設立趣旨と施設概要
2.印刷文化学の形成を視野に入れて
  a.世界と日本の歴史的文脈
  b.文字と図像の印刷:活字印刷と版画
  c.産業としての展開
3.社会共有への道
  a.展示のポリシー:製造の機器と製品、仕事と人間
  b.学習・教育の場としての博物館
4.産業博物館の共通課題
  a.世界の科学技術博物館の状況
    (ロンドン科学博物館、ミラノ科学博物館、ミュンヘン・ドイツ博物館)
  b.産業博物館コンソーシアム(COMIC)の結成と活動


午前中にビックサイトでの印刷総合機材展というものを廻ったので、疲れがたまり4.の辺りから眠気に襲われてしまい最後の方はちゃんと聞けなかったのですが、とても勉強になりました。
私がミュゼオロジーを勉強した頃は、「メセナ」というのが流行っていて、企業が社会に還元するということを目標に何か文化的な支援事業をするのが企業のやり方だったのですが、今は自分の博物館を持ち、そこへ人が来るということで、社会教育を行い社会への還元を目指すという形へと変化したようです。
私も卒業する前に産業博物館について調べた事があって、COMICのメンバーである「帝国データバンク」の博物館が気になっていたのですが、確か開館日時が限定されてしかも閉館時間がとても早くて、土日はやっていなかったような気がします。それでちょっと「何のための博物館?」って思った事があったので、印刷博物館の館長の話を聞きながら思い出しました。


10月12日(月)まで、印刷博物館で明治期からの教科書の展示がされているそうです。すごーく興味があるので、時間を見つけて行きたいなと思っています。


【企画展示】近代教育をささえた教科書−東書文庫コレクションを中心として−


会 期 : 2009年7月18日(土)〜2009年10月12日(月)
休館日 : 毎週月曜日(ただし、7月20日、9月21日、10月12日は開館)
7月21日、9月24日
開館時間 : 10:00〜18:00(入場は17:30まで)
入場料 : 一般500円、学生300円、中高生200円、小学生以下無料
※20名以上の団体は各50円引き
※65歳以上の方は無料
身体障害者手帳等お持ちの方とその付き添いの方は無料


 明治という新時代を迎えた日本では、欧米に倣って近代化を推し進めようと、さまざまな政策が実施されました、その一つが、明治5(1872)年に公布された学制を始めとする、近代教育制度の導入でした。既に江戸時代において教育環境が整っていたこともあり、近代教育制度の導入は、我が国の教育を発展させ、近代国家の形成、その後の発展に大きく貢献するところとなりました。こうした教育の発展において重要な役割を果たしたのが、主たる教材である教科書です。教科書は、学校教育に欠かせない教材として、人々に、多くの知識を提供してきました。その役割は、デジタル時代を迎え、教材の様相が変わりつつある今日においても変わることはありません。
本企画展では、近代以降の日本における教育の発展を支えてきた教科書について、このたび重要文化財に指定される東書文庫が所蔵する教科書、教材コレクションを中心に、戦後の文部省著作教科書までの歴史ならびに、教科書が果してきた役割、さらには社会や印刷技術との関係より紹介します。